今、読むべき本といえばやはり
NHK大河ドラマ「光る君へ」の主人公、
紫式部著の「源氏物語」であろう。
いままで3回、読破を試みたが全10巻のうち、3巻までしか読み進んでいない。
なにぶんにも長い。
そして基本が恋愛小説である。
このふたつが妨げとなる。
長いのはもとより、恋愛小説が好きではない私には興味が湧きにくい。
しかしこの度は、今までになく読み進んでいる。
「光る君へ」をきっかけとして、平安時代の生活文化に興味が湧き、「枕草子」や「和泉式部日記」、「更級日記」などの現代語訳のダイジェスト版、更には藤原道長、紫式部に関する小説を読み重ねたので、時代背景や人物関係がわかってき、更に当時の貴族達の生活ぶりを知ることとなったのだ。
昔の人の生活文化を学ぶことを趣味とする私にとっては、新境地開拓である。
「光る君へ」を見ながら、気になるのは、当時の人がどのようなものを食べていたか、どのようなものを着ていたか、家の構造は?などである。
源氏物語を読んでいても、光源氏が朝ご飯にお粥を食べる、などの記述かあると、なるほど当時の貴族の朝ご飯はお粥なのかと思う。
病気などすると、薬もあまりないし、医療技術や知識も今よりはるかに劣るので、最後には物の怪が取り憑いて病になったということになり、加持祈祷を僧侶や陰陽師が行う、ということになる。
今からすると信じられないようなことが、行われていたのである。
しかしそれでも人間は生きていたのだ。
近隣の旬の物だけを食べ、ガスも電気も水道もない中で、人は生きて、自然の中に美しさと楽しみを見出し、豊かな文化を作りだして生きていたのだ。
平安時代の生活文化の参考書として源氏物語を読むと、今までと違う捉え方になる。
読むなら今だろう。